3Dプリンタでフィラメントスタンドを作ってみよう
フィラメントのリールは規格が合わないとプリンターに設置できません。そこで自作しようという事になり、今後の作成の為にフィラメントスタンドを作ることにしました。
フィラメントスタンドを作るの巻
どうも、みのりです。
前回は3Dプリンタと付属の赤色PLA樹脂を使ってブックスタンドを作ってみました。
結構いい感じに完成し、サポート材やラフト(テーブルとの接着を強めるための土台)をニッパで除去し残ったバリで手や本を傷つける恐れがあるため完成後にヤスリ掛けをしました。
これが実は結構大変で、PLA樹脂はとても硬いのでサポート材、ラフトの除去に苦戦しその後のヤスリ掛けにもかなり苦戦をしました。
そのため後加工が容易なABS樹脂に切り替えることにしたわけです。
そんなわけでFLASHFORGE製のABSフィラメントをAmazonで見てみたら…
た、高い…。
500gで2980円です。
1kgの方は3980円ですよ?それだったら1kgのABSフィラメントを買った方がお得に決まっています。
ですが、Adventure3には大きな欠点があったのです…。
1kgのフィラメントがセットできないじゃないですか!!!!!!!!!!!!
これは正直予想外でした。まぁしっかり仕様を読まなかった私が悪いんですが…。だとしても500gフィラメントしか使えないのは痛すぎます。ランニングコストがかかりすぎちゃいます。これは何とかしたいところ…。
そんな時、私は天啓を得たのです。
「みのりよ…。1kgフィラメントがセットできないなら…自分でスタンドを作ってしまえばよいのではないか…?」
天の導きに従い私はフィラメントスタンドを作ることにしました。
ないものは作る!
作るために買う
「さぁフィラメントスタンドを作ろう!」と行きたい所ですが、手元に1kgフィラメントがないので作れません。
なぜかって?
フィラメントの大きさとかが一切分からないからです。
フィラメントスタンドを作る第一歩としてまずは1kgフィラメントを購入します。
普通に考えたら純正を買うところなのですがAmazonでいろいろ探していたら純正フィラメントって1kgでもかなり割高なんだなって思いました。
FLASHFORGEのフィラメントが3980円。
PeachCloverのフィラメントなら1890円。まさかの2分の1…。
将来的にはいろんな色を揃えたいし安い方が助かるという事でこのフィラメントを買うことにしました。
「サクラレビューっぽいのもなさそうだし、どうせプラスチックなんだからどれ買っても同じでしょ」という理由です。
購入する際は自己責任でお願いします。
純正を使って不具合があればFLASHFORGEさんに文句をつけれますが、変なフィラメントを使って不具合が発生しても「だから純正オススメしてるんですけど?」って言われちゃうからです。
届きました。届いたすぐの写真を取り忘れたので使用後の写真ですが、500gと比較すると結構大きいですね。
手前が500gで奥が1kgフィラメントです。
現物が届いたので早速寸法を測って3DCADでモデルを作ります。
適当に半径やら厚みやら測ります。フィラメントが宙に浮いて回りさえしてくれればいいのでかなり適当です。
測ります。
こんな感じでモデルを作りました。
支えに棒を突っ込むだけという簡単設計です。気持ち程度に片側からしか抜けないようにストッパをつけてみました。
印刷してみる
3Dモデルも出来たので印刷していきます。
スライサーソフトについては前回お見せしたので省略します。前回と設定から何から全く同じです。
印刷中の写真です。なんか糸みたいなのを引いていますが多分大丈夫です。多分。
支えが完成しました。上のほうの層がチョットズレていますが問題ありません。使えればいいんです。
恐らくですが板厚5mm程度で高さ100mm超えのものを作るとヘッドの先端が触れた時に造形物がブレてこうなったんだと思います。
高さのあるものを作るときはもうすこし板厚を厚くするなどの対策を取ったほうがいいのかもしれません。
支えはできたので次は棒を印刷します。
完成しました。こちらは太かったおかげか上のほうがズレるといった事も無く、綺麗に印刷できました。
それでは早速フィラメントとガッチャンコしてみましょう。
こんな感じになりました。察しの良い方ならお気づきかと思いますが大きなミスポイントがあります。
ちなみに私はこの時点では全く気付いていません。それどころか完璧な設計だと自惚れてすらいました。
「ササっとこんなの作れちゃう俺さすがだわ」とか言いながら3Dプリンタにセットし、プリセットデータを印刷してみました。すると…
「あれ?なんかフィラメントの引き込みがスムーズじゃねぇな…」
一応引き込みもできてはいますし印刷自体は失敗せずうまくいくのですが、フィラメントがスムーズに回らないのです。一体何故なんでしょう。
ちょっと考えて私は思いました。
「もしかして摩擦…?PLA樹脂の摩擦係数がスムーズに回っていないのではないだろうか…」
一度フィラメントを外し、手で支えと棒のみをくるくるとまわしてみました。
「摩擦など一切感じさせない滑らかな回転だ…では一体何故…」
傍目に見たらただのお馬鹿さんです。この時点での私は恐らく重力というものを一切知らなかったんだと思います。小一時間悩んでやっと気が付きました。
そりゃスムーズになんて回るわけありません。フィラメントの内径に対して棒が細すぎます。
手で引っ張ってみるとスムーズに回るんですが、フィラメントの引き込みと人間の手の力を比較してはいけません。
3Dプリンタからしてみれば机の上にポンとおいてあるのとあんまり変わらないわけです。
「3Dプリンター君…よくこんな重いものを引っ張ってくれたね。ありがとう、そしてごめんなさい。」
しっぱいはせいこうのもと
3Dプリンタに感謝と謝罪の意を示し、原因もわかったところでこんなパーツを追加で作りました。
普通は1kgABS樹脂の使用を辞めて、500gPLA樹脂で作るのに愚かな私は
「それでも引き込めることは引き込めるしABS樹脂でやってみるか!」
という頭のネジが50本くらい吹き飛んだ考えで、3Dプリンタ君に頑張らせちゃいました。
先ほどの感謝と謝罪はどこにいったんでしょうね。
完成したものがコチラです。ちなみに印刷の途中で「ゴッゴッゴッ」っという明らかに重さに負けたような音がし始めたので途中から手でフィラメントを回しかなりたるませた状態で印刷を続行しました。
総てを組み立てたものがコチラです。
ちなみに支えの部分ですが一々穴を通してセットするのが面倒になったので上のほうをぶった切りました。
美しくありませんが使えればOKの精神です。
出来上がった感想
使用してみた感想ですが、予想以上にスムーズに回りました。途中で支柱から棒が外れることもありませんし、良好です。
失敗もありましたが上手くいくと嬉しいですね。これがモノづくりの醍醐味と言った所でしょうか。
これで1kgフィラメントの使用が可能となったので次回以降は今回購入したABS樹脂をふんだんに使って色々作っていきたいと思います。
また次回!
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