007

【007 スカイフォール】シリーズ最高傑作!真のスパイ映画が帰ってきた!

J.Stone J.Stone

スパイ映画の金字塔である007シリーズ。
ワルサーと車と女…そしてアイディア溢れるスパイグッズ。
007シリーズ23作目にあたるスカイフォールは、そんな今までのシリーズの中でも
最高傑作と言っても過言ではない作品となった。今回はその傑作映画を紹介していこう!

©007 Skyfall

原点回帰と新時代への挑戦状という2つの面を描いた007

007シリーズは1962年、第1作目『ドクターノオ』から続くスパイ映画シリーズである。
ショーン・コネリー、ロジャー・ムーア…様々な俳優がその歴史を築いてきた。
面白いギミックと、コミカルだがダンディな作風で、子供も大人も夢中になれる――
世代を超えて愛される最高の映画シリーズとなった。

しかし、近年はSFXや現実世界の凄まじい技術発達で、アイディアを現実が追い越してしまい、
昔のようなSF映画的演出や面白いギミックなどが影を潜め、リアルテイストな映画になっていた。

そんな007シリーズ。決して面白くなかったわけではない。
だが、旧作から全部見ていたり、後追いながら旧作もしっかり見ているファンには
スパイ映画というより普通のアクション映画の様になっていっていることに残念がる人もいた事だろう。

だが、ここに来て、007は原点回帰した。
しかし、それはただの回帰ではない。
古典的手法や旧作ファンを燻るような演出でスパイ映画とは何かというテーマを描くと同時に、
新時代の007としての新たなる一歩を踏み出すという強烈なメッセージを含んでいる。

時代遅れとなった007

今回、ジェームス・ボンドと司令官Mはある意味「化石」のレッテルを貼られる。
爆弾付きペンなど過去のモノという若いメンバーの発言からこれがうかがえる。
いつかは来る運命なのだが、悲しいことにそれがその今であった。
彼らの時代は終わったのだ。

スパイは古い。
そう、スパイの時代はもはや終わりつつある。

スパイが活躍したのはそもそも冷戦時代。
その頃、ソ連(今のロシア)という国は、連合側には非常に未知の存在であった。
技術の多国間競争が非常に活発であったのが60年代~80年代。
アポロ計画、兵器開発など、特にアメリカとソ連は相当なものだった。

しかし、冷戦は終わった。
同時に、技術革新により世界は複雑化する。
諜報機関も昔のようにはいかなくなったことだろう。
より組織的になっていき、個が戦うような場面は減っていったことだろう。
最も、それはスパイに限ったことではない。
あらゆるものが複雑化し、組織化する。個では対応できない時代となっていった。

優秀でなくなったスパイによる反撃

映画開始からとにかく彼らは滅多打ちにされていく。

アル中となり、身体能力も落ち、もはやスーパーヒーローばりの活躍ができなくなった007。
負傷から復帰した007を待っていたのは再試験。しかし、年老いた彼に試験は過酷さを極めていた。
上司の計らいでなんとかコネで復帰という、ヒーロー感のなくなったみっともないおっさん。
そして、数々の偉業と努力をしてきたにもかかわらず、古臭い、トロいと言われてしまう司令官M。

だが、諦めなかった。
彼らはその古典的手法をフル活用し、その時代に立ち向かっていく。

また、今回の007はレトロのオンパレードである。

今回の007は原点回帰。
旧作のギミックも豊富に出る。
ピアース・ブロスナンの007以来久々に登場する、技術部のQ。
コネリーが使ったギミックつきの懐かしい車…アストンマーティン・DB5も登場。

しかし、そのレトロ演出はそれだけに留まらない。
古典という手で立ち向かう演出として、ボンド側はとにかくレトロな銃器を扱うのだ。

脚本はメタルギアシリーズにも通じる

今回の007には、メタルギアシリーズ的なものを非常に感じた。
ボンドはソリッドであり、敵の親玉はリキッドである。
時代遅れと知りながらも体制側に留まるボンドと対照的に、
祖国に裏切られたと思い込んだかつてのスパイが敵にいるのだ。

愛国心と反社会性が紙一重なのはMGSシリーズでもよく描かれるし、
祖国に牙を向く為の背景や脚本の流れなども非常に類似性を感じた。
主人公が英雄的な立ち位置でありながらも、衰えを見せるというのもMGSである。
MGSシリーズがこういったスパイ映画をベースにしている事から、偶然ではなく必然的な事ではあるのだが……。

帰ってきたボンド

旧作の古典的なスパイ映画を求める年配の方にこそ、この映画は相応しい。
何故ならば、懐かしさと同時に、今起きている世代交代を最も等身大で感じられるはずの世代であるからだ。
事実、この映画を大絶賛している旧作ファンの方々の感想を多数目撃しているからである。

だが、若い人が楽しめないわけではない。
ベテランだって実は完璧ではないという面を見せている今作は、
今からベテランへと上り詰めていく世代にもしっかりと通じる内容であることは間違いない。

今作は007シリーズ50周年という、その名にふさわしい作品となっている。
また、ピアース期から出演を続けてきたジュディ・リンチの引退作でもある。
是非、気になったら今すぐ見てほしい。

ツタヤ

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