2049

【ブレードランナー2049】劇場で観ての感想(※公開中につきネタバレ注意)

J.Stone J.Stone

現在公開中の映画、ブレードランナー2049について感想や考察を書いていきます。 尚、公開中につきネタバレ注意です。

ブレードランナー2049を観て…

公開初日のナイトシアターで観てきました。
いつもガラガラなナイトシアターでしたが、流石カルト的映画の続編なのか―それなりにお客さんが入っていました。
中にはカップルで入るという挑戦的な人たちも…。
しかし、やはり全体的に年配の方が多い傾向にありました。

さて、内容についての感想に映りましょう。

前作のレビューはコチラ!

※注意点
ネタバレが含まれる可能性があります。
公開中作品なのでまだ視聴されてない方はお気を付けください。

2049

劇場で観ての感想

結論から言うと…

『やはり一回じゃ理解できねぇ!!』

という、ブレードランナー恒例の作りになっています。

ただ、それでいて上映時間が2時間40分ちょっとという長めでありましたが、
圧倒的世界観とバックボーンによる情報量により、ダレる等という事はありませんでした。

前作の謎、特にデッカードとレイチェルのその後は、やはり今作のカギとなっていました。
本編公開前に公開された3本の短編が描いた事件の発端…その謎も今作で明らかになっています。

前日譚となる短編3本はコチラ

あらすじとしてはこうです。

あらすじ
タイレル社製の旧式レプリカント(人造人間)を狩る任務を与えられた現ブレードランナーのK(ライアン・ゴスリング)は、
なんと調査中に出産をしたと思われるレプリカントの遺体を発見する。
レプリカントと人間との境界がなくなり、道具として酷使できなくなるのを防ぐべく、人間サイドはKを用いて証拠隠滅の為に子供の”処分”を命じる。
しかし、その過程で自身の出生の秘密、大停電の秘密にまで迫ることになるのだが…。

植え付けられた夢・記憶がレプリカントの象徴であると語られたのは前回ですが、
今回もその夢をキーにして物語が進行します。
また、レイチェルが人の感情に目覚めた経緯なども語られていくのです。
ファンの間で語られたデッカードレプリカント説についても回答がありますが、ファンの夢をぶち壊すような語り口にはなっていません。

2049
出典:http://eiga.com/

テーマ性やストーリーの描き方

前作が人と機械の境界、人間性についてがテーマでしたが、
今回はテーマというテーマがイマイチ分かりづらい印象があります。
というのも、今作は前作の謎の解決編と、新たな事件の解決という2つの要素を同時進行させており、
更にはSF技術に現代追い付いてしまったが故に、新たな未来の可能性について提示しており、
その世界観把握や、未来考察も含め、非常に情報量の多い映画となっている為です。

分かりやすさから言えば、前作を遥かに凌ぐ複雑さです。
前作を100回以上視聴しているという私の経験もあるかと思いますが、それでいても前作より難しいという印象があります。
つまり、前作の方がわかりやすいです。
そして、ストーリーライン、テーマ性も前作の方がやはりシンプルであり明確であると思います。

時代に追い付いた新たな恋愛形態

ITの発展により、バーチャル恋愛という昔では考えつかなかったような新たな恋愛形態が現代では浸透しています。
バーチャロイド…初音ミクなどの架空のアイドルやキャラクターに、人を愛するのと同じような感覚で愛情を注ぐという行為は今や当たり前になっています。
その回答がこの2049では語られているのです。
いずれ生まれるであろうホログラム式バーチャロイドと人の恋愛。画面を超えて”触れられる”かもしれない可能性を提示しているのです。
そういう意味では、今作はバーチャルに性を感じるオタク層の人たちにも通じる…いや、より理解できる可能性を秘めている作品なのです。
これは逆に言えば、それらがない時代に青春を送った40代以上の方々には理解しがたい部分になるかと思っています。
近い将来、iPhoneのSiriが実態を得て、あなたの恋人になるのです。

オタクの二次元恋愛。萌え。
明らかに監督もこれを意識していると思います。
二次元恋愛の例として童顔で目の大きい、メイク映えのするようなアジア・西洋どちらでも受けるような可愛らしい女優さんを配役しているからです。
3Dゲームで好みの美女を作って恋愛ごっこができる時代です。これは確実に訪れるであろう未来の姿なのです。

AI社会、VR社会への一つの回答でもあります。

2049
出典:http://eiga.com/

SFの行方

さて、サイパーパンクの代表作として、今尚オマージュされ続けるブレードランナーですが、
今作はそのサイバーパンク色は薄れています。
というのも、これも現実がSFに追い付きすぎてしまったが為に、リアルにしか見えなくなってしまったからでしょう。
登場するギミックなども日本の都心ではわりとみられるような景色であり、数十年後の世界と言われれば納得できてしまうほど現実と非常にリンクしているからです。
映像が映る画面のある自動販売機、無人販売機は既に日本では当たり前です。
無人食堂も国道沿いのオートレストランとして既に数十年前から当たり前になっている光景です。
SFという代名詞・個性的世界観は、もはやレトロフューチャー以外ではなしえなくなってしまったのかもしれません。

映画設計について

そろそろ映画作りについて感想を述べましょう。
前作ブレードランナーは都市という閉鎖空間で、深い未来考察とテーマで固めた上にシンプルで古風なストーリーを合わせた物でした。
物語がシンプルであるがこそ、演出というトッピングが光り、まるで無茶苦茶複雑に映画いているかのような印象と奥行き感を感じさせたのです。
これは、2015年に公開されたマッドマックス/怒りのデスロードでも用いられている手法です。

しかし、今回は逆に物語として語られる部分が非常に多いのです。
故に、ストーリーを追わされている感がしてしまうのが難点かと思います。
更に、機械と人間の境界という未来的テーマを全開で描き切ってしまったのと、前作の謎の解決に時間を費やしてしまった為に、
ストーリーを先行させるしか方法がなかったのかなと思えてしまうのが難点でしょうか。

恐らく、今回のテーマは”愛”なのですが、それは前回でもサブテーマとして十分に語られています。
愛というテーマ自体が抽象的である為に、もっと具体的なテーマがあったほうがより深まったのではという気がしてなりません。
ヴィルヌーヴ監督は長年この愛を語り続けている監督でもありますから、描き方自体に不服は有りませんが、
ただでさえSFという題材が情報過多に陥りやすいので、舞台を限定し、テーマやストーリーをもっとソリッドにした方がより引き立ったのではと思っております。

かといって駄作ではなく、上記でもあげたように、
技術により生み出された新たな愛の形なども語られており、ただの恋愛映画にはなっていないのもまた事実。
最も、ブレードランナー自体が1回見ただけで把握できるように作られていないので、
今後何回も見ていく中で明らかになる発見があるのは間違いないでしょう。

また、最後まで解決したかというとそうでもなく、新たな謎が残ってしまいました。
これは更なる続編を意識してのことなのでしょうが、これが逆に消化不良感を感じてさせてしまったかと思います。
できるならば作中で1つの解決を提示してもらえると映画としては理想なのですが―。

br

役者について

ライアン・ゴズリングは非常に良いです。ハマってます。
レフン監督作品で感情の死んだような難しい役柄を演じていたりするので、私としては納得の出来です。

ブレラン版初音ミクのアナ・デ・アルマスも非常に可愛らしく、アジア受けする顔立ち。
この方は素の顔が薄めであるが故に、非常にメイクで印象がガラッと変わる女優さんですね。

デッカードのハリソン・フォードはやはりおじいちゃん。
スターウォーズでもそうでしたが、アクションはさすがに厳しいのでしょう。
前作の凄みは流石になくなってしまいましたが、歳を重ねた故の悲哀さのようなものは非常ににじみ出ていました。

人造人間という題材を扱うが故に、非常に無機質な演技が求められたであろう俳優陣…。
どの方も基本的には無常表であったり、冷たかったりとディストピア感あふれる演技でしたが、
同時に複雑な背景を語ってもおり、どの方も素晴らしい演技だったと思っています。

よりによって、一番機械であるはずのVRカノジョちゃんが一番表情豊かだったり……。うん、実にリアル。

音楽

前作のヴァンゲリスは、プログレ的な特徴的メロディを維持しつつ展開していくという手法で、非常に印象深く完成度の高いサントラに仕上がっていた。
サントラ単体で聴けてしまうほどクオリティの高い曲の数々で、これは是非皆さんにも聞いていただきたい。
ピンクフロイドなどのアーティストが好きな方には間違いなくハマるであろう。

対して今回はハンス・ジマーが担当。
ジマーはどの映画でも何を作ってもジマーになるというか……2049でも印象がなく器用貧乏な量産型の音楽になっていた。
確かに盛り上がるところは盛り上がるし、雰囲気には合わせてあるが、映像をイメージした際に曲が出てくるタイプのモノには仕上がってなかったと思う。
言うなればヴァンゲリス風を意識した特徴のないサントラになっていた。
この辺りは非常に残念。音楽に関してはヴァンゲリスに続投してほしかった。
(私個人がハンス・ジマーが好きじゃないというのも一理ある)

反響させてシンセ適当に鳴らせばいいってもんじゃねぇぞー!

おわりに

というわけで、1回見ただけではこの程度の散漫な感想しか出てきませんので、
ソフト化された際にはまた数100回視聴して、徹底的に理解と整理を深めようと思っています。
そうした段階で再び考察や発見を記事にしていきたいと思っております。

また、新たな発見があり次第、追記も入れていこうと思っています。

とりあえず情報量多い!
整理する時間が欲しい!!
モニターで細かい所まで見たい!

あと、二次元最高!!
バーチャル嫁くれー!!

デスクトップでVRカノジョ眺めたい方はコチラもオススメ!

ツタヤ

邦題・英題ブレードランナー2049
評価点数★★★★☆(劇場視聴時)
監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ
公開年数2017

    この記事をシェアする

コメント/情報提供

コメントを残す

「映画レビュー」の関連記事

「SF・ファンタジー」の人気記事
映画のカテゴリ一覧