スマホは無線で充電できる時代に…!もう邪魔なケーブルに悩まされない
スマホの充電、まだケーブル式充電器でしていますか?有線ケーブルは絡まったり、断線した理、範囲が限られたりと何かと面倒な事が多いですが、そんな悩みを解決するのが「無線充電器」です。21世紀はスマホは無線で充電する時代です。今回は無線充電の仕組みと最新テクノロジーが詰まった時期発売の無線充電器「Pi」のご紹介をしていきます。
スマホは無線で充電する時代
誰もが持っているスマートフォン。
1日の使用頻度はとても高く、寝る前に必ず充電して寝る人が殆どだろう。
最近ではケーブルに繋ぐ煩わしさを取り払うため無線充電なるものも普及している。
今回は最近流行りのスマホの無線充電を詳しく解説し、無線充電の原理、メリット、デメリットも含め掘り下げてみる。
無線充電とは?
無限充電とは読んで字のごとく、「無線」で「電力を伝送する」システムのことだ。
現在は至近距離でのみ電力の伝送が可能だが、今後は距離が拡大していくはずだ。
また、この先スマートフォン以外の家電機器等にも無線で電力を送信できるようになっていくだろう。
無線充電規格「Qi」とは
現在スマートフォンの無線充電に用いられている規格は「Qi(チー)」というものだ。
Qiは2010年7月に無線給電技術団体のWPCに策定された規格のことで、なんと無線給電技術としては唯一無二の規格である。
しかし2010年には存在していた規格であるのに、ここ最近まであまりメジャーなものではなかった。
その大きな理由としてIPhoneの存在があるだろう。
2017年まではIPhoneはなんと日本で約70%程度の普及率を誇っている。
自分の周りを見ても、殆どの人がIPhoneのを使っているのではないだろうか?
そんなiPhoneにQiが搭載されたのはiPhone8からだ。(iPhone8の発売日は2017年9月22日)
Android端末では、機種は不明であるが2011年からQiを搭載したスマートフォンが存在している。
そう、IPhone8の発売と共にQiは爆発的に世間に知れ渡ったのだ。
Qiを搭載したスマートフォンをQiの充電パッドの上に置くと充電される。
今までケーブルを刺して充電してきた人間からすると何とも不思議な現象である。
なぜ充電パッドの上にQi対応のスマートフォンを置くと充電が開始されるのだろうか?
Qiの原理
Qiで用いられる送電方法は主に2つだ。
電磁誘導方式
電磁誘導方式は、小学校か中学校で受けた理科の授業で誰もが勉強したであろう「電磁誘導」と「誘導電流」の原理を用いて電力を送信している。
電磁誘導とは簡単に言うと、磁界内(磁石の力が働く空間内)で導体(金属などの電気を流す物質)が運動すると、導体に電位差(電力)が発生するというものである。
この電磁誘導で発生した電力のことを誘導電流という。
身近な物で例を挙げるならば、モーターが分かりやすいだろう。
ミニ四駆などに使われるモーターで話すと、モーターの壁面に貼られている2枚の永久磁石から発せられる磁界の中を、導体であるコイルに回転運動をさせることで電流が発生する。
日本で使われている電力の殆どはこのように生み出された物であり、原理自体はポピュラーなものなのだ。
さて、話を本題に戻すがQiでもこれと同様のことが行われている。
図のように充電パッドには送電用コイルが内蔵されており、充電パッドをコンセントに差すことで連続的に磁界が発生する。
仕組み
(出典:https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20181017_01)
充電パッドにQi対応のスマートフォンを近づけると、内蔵された受電用コイルが導体となり電磁誘導が発生し誘導電流が流れる。
(出典:https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20181017_01)
この誘導電流によりスマートフォンのバッテリーが充電されるという仕組みだ。
磁界共振方式
磁界共振方式は、簡単に言うと音叉のようなものである。片方を鳴らすと、もう片方が全く同じ音を発するアレだ。
音叉は片方から発せられた周波数に、もう一方が共振することで音が出ている。
実は磁界にも周波数が存在する。
お互いに全く同じ回路で、片方から磁界を発生させるとそれに共振しもう片方に電流が流れるのだ。
磁界共振方式は、これによりバッテリーを充電しているという仕組みである。
Qiのメリット
以上で原理については理解頂けたかと思う。
では次にQiのメリットとデメリットについて解説する。
Qiを使って充電するメリットは2つある。
- ケーブルが痛まない
- ラクラク充電
ケーブルが痛まない
これを読んでいる全員が充電ケーブルの断線を経験したことがあるだろう。
使っているとたまに充電が出来なくなるところから始まり、最後には一切充電できなくなり何度ケーブルを買い替えたことか。
最近では断線しにくいケーブルも発売されているが、断線しにくいだけで「しない」わけではない。
Qiで充電することで、ケーブルの断線から解放されるのは大きなメリットである。
ラクラク充電
ケーブルの抜き差しが発生しないのも大きなメリットだろう。
最近はどこへでも持っていくスマートフォン。
トイレに行くときもついつい持って行ってしまう人もいるんじゃないだろうか。
充電中であれば移動のたびにケーブルを抜いて、戻ってきたら差してという手間が発生する。
Qiを使えば充電パッドの上に置くだけで充電されるのでケーブルの抜き差しからも解放される。
Qiのデメリット
先ほど挙げたようなメリットがある一方、Qiには8つのデメリットが存在する。
- 充電速度が遅い
- 充電可能位置がシビア
- 充電環境が限られる
- 充電パッドによって使い勝手が変化する
- 使えるケースが限られる
- 使いにくい
- 対応機種でなければ使えない
- 初期投資が高い
充電速度が遅い
Qiは従来の充電方法と比較して充電速度が遅い。
充電パッドによって変化はするが平均すると、従来の充電方法の約1/2の速度である。
つまりスマホの充電時間が2倍に伸びるのだ。
これはとても大きなデメリットであるが給電方法の都合上、電力損失は仕方のない事であり現段階ではどうしようもないのである。
充電可能位置がシビア
Qiはその原理上、充電パッドの正しい位置にスマートフォンを置かないと充電されないという言わば「仕様」が存在する。
これも仕方がないのだが、適当に「ポンッ」と置いても充電されてないことがあるというのは大きなデメリットだろう。
このような目で状態を確認できる充電パッドを使えば、ある程度デメリットは軽減されるがそれでも位置調整は要求される。
また、自動でスマホを検知しその位置まで内部のコイルが移動する「ムービングコイル方式」を採用した充電パッドも数は少ないが存在する。
これを用いれば充電パッド上にスマートフォンを置けば必ず充電されるのだが、基本的には位置調整が必要なのである。
充電環境が限られる
充電には磁界を用いるのだから、充電パッド上に金属製のものが乗っていれば磁界は乱れ充電は出来ない。
また、充電パッドの下に金属があっても充電できない可能性も考えられる。
つまり、充電パッドを置ける位置というのはある程度制限されるのだ。
充電パッドによって使い勝手が変化する
充電速度や充電位置にて少し話が出ているがQiの使い勝手というのは充電パッドによって変化する。
充電速度が比較的早い充電パッドも存在すれば、充電範囲が広い充電パッドも存在する。
使いやすい充電パッドに巡り合えれば良いのだが、そうでない場合は最悪だ。
本来はどんな充電パッドでも一定の性能を発揮できるべきなのだろうが、多種多様なスマートフォンの機種に対応するのは難しいのだろう。
使えるケースが限られる
金属製品が至近距離にあると使えないという話を聞いたときに「ハッ!」っとした方もいるのではないだろうか。
Qiを使う場合基本的には金属ケースは使えない。
また底が分厚いケースも、充電パッドとの距離が開いてしまい充電効率が著しく低下する恐れがある。
さらにケースとスマートフォンの間にICカードがあっても使えない可能性がある。
本来Qiはケースを装着せずに使うことが理想であるため致し方無い部分もあるが、面倒に感じる人も多いのではないだろうか?
使いにくい
「それ言う?」みたいなデメリットだが、事実使いにくいのだ。
考えてみてほしい。充電パッドにスマートフォンを置いているわけだから、充電しながら操作したい場合は置いた状態で操作しなければならない。
楽な姿勢で使うことはできないのだ。
対応機種でなければ使えない
Qiに魅力を感じている人もいるだろう。
しかし貴方の持っているスマートフォンはQiに対応しているだろうか?
勿論、Qiに対応していなければQiで充電することは出来ない。
単純明快な話だが誰でも使えるわけではないというのはこれも大きなデメリットだろう。
だが安心してほしい。対応していなければQiを使えないというわけではない。
このようなレシーバーを本体に取り付け、ケースをかぶせることでどんなスマートフォンでもQiを使うことが出来る。
しかしレシーバーを付けると充電端子が常に塞がれるため通常の充電は出来なくなる……。
初期投資が高い
さて、ここまでQiのデメリットをこれでもかと挙げてきたがまだ終わらない。Qiが注目されているがなかなか普及しない一番の理由が……
初期投資が高すぎる!!!
Qiが使えないスマートフォンにQiを導入することを考え少し計算をしてみよう。
まずQiを使うために充電パッドが必要なので充電パッドを購入する。
充電効率と使い勝手を考えPanasonicのQE-TM101を購入する。
充電パッドを用意したがスマートフォンがQiに対応していないのでQiに対応させる。
そのためにQiのレシーバーを購入する。
これでQiによる充電が出来るようになるわけだが、かかった費用は7130円。
普通に充電するなら1000円くらいのケーブル1本で済んでしまうところをQiに変えると7倍費用が掛かるのだ。
仕方がないといえば仕方がないのだが、大きなデメリットだろう。
最強の無線充電器「Pi」の登場
Qiには以上のようなメリット、デメリットが存在する。
これを踏まえた上で「面白い」と思える人に向けた技術であるだろう。
実際にQiは大変便利で面白い技術ではあるが、常にQiだけで充電するのは不便だろう。
寝る前の充電などをQiに変更すると良いのかもしれない。
しかし……みなさんはご存じだろうか。
Qiのデメリットのうち対応機種と初期投資以外のすべてのデメリットを解決してしまう幻の商品と技術が開発されているのを。
その名も…… 「Pi(パイ)」 !
(出典:https://time-space.kddi.com/digicul-column/digicul-joho/20171003/2119)
このスマートスピーカーっぽい製品であるが、Qiで言うところの充電パッドである。
PiではQiに存在した充電パッドという概念は取り払われ、この充電ステーションの半径30cm以内のスマートフォンを充電できるのだ。
更に今まで充電パッド1つにつき1台だったのが、4台まで同時充電が可能になるスグレモノ!
出力についてはQiの充電パッドの約2倍程度!
つまり従来の充電速度とほぼ同等の速度で充電できてしまうのだ!
充電パッドの位置調整ともオサラバ!
充電ステーションから半径30cm以内にスマートフォンがあればいいのだ!
使いにくいというデメリットも解決!
範囲内であればどんな姿勢でも充電が可能だ!
ケースについても金属製でなければどんなケースでも使用可能!
Qiに対応している機種はそのまま使える!
これぞ未来の技術!
これが21世紀!
ビバ!Pi!!
盛り上がりすぎてしまったが、Piは本当に素晴らしいアイデアと技術が結集された商品である。
誠に残念であるがまだ日本国内で販売はされておらず現在も研究と開発がなされている商品なのだ。
しかし、海外ではもう販売されているようで購入することも可能だ。
QiやPiは今後の発展が大きく期待できる技術だ。現段階では使いにくくとも数年でとても便利に変化しているかもしれない。
気になった方は、まずはQiから使ってみるのもいいかもしれない。
無線充電技術は今後しっかりチェックしていく必要があるだろう。
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