【Level4】ボブおじさんから学ぶドット絵背景の描き方【ドット絵講座】

J.Stone J.Stone

ね、簡単でしょ?でお馴染みのボブの絵画教室を参考にドット絵の描き方を学んでみようというコーナーです。ボブおじさんの技法、実はドット絵にも通ずる部分が多いと思っています。特に美術の基礎となる部分が非常に多いため、ボブおじさんの描き方を真似ながらドット絵に落とし込んで紹介してみようと思います。

ボブおじさんから学ぶドット絵

皆さんはボブおじさんという方をご存じですか?
この方はBob Rossという画家の方で、「ボブの絵画教室」という番組で絵の描き方を紹介していました。
簡単でしょ?と言いながらわずか30分程度で絵を仕上げてしまうという超速筆画家としても知られ、”参考にならねぇw”とまで言われるほどあまりにも早い仕上がりと正確さで有名です。


出典:https://www.cnn.co.jp/style/arts/35143624.html

しかし、実はめちゃくちゃ参考にしかならない超基礎的な講座になっているのです。
あまりにもパフォーマンスの部分が目立つために凄いことをやっている(まあ凄いんだけど)ように見えますが、実際に行っていることは西洋美術の基礎を当たり前のようにやっているだけです。独特なのは筆やナイフの独特な使い方ぐらいですが、多分美大で絵画をやっていた人ならば割と当たり前の技法に感じるかもしれません。それぐらいボブおじさんは絵の描き方の基礎をしっかりとなぞってやってくれているのです。
つまり、もう一度言いますが参考にしかなりません。同じようにできるかは別ですが……間違いなく参考にすべき内容です。
これから絵をいっぱい描きたい、描く速度を上げたい、上手く見える絵を描きたいという方には最高の講座なのです。

そしてそれはドット絵にも言えるのです。
ボブの絵画教室でやっていることは、実はドット絵講座で私が解説している事と類似します。
正確さよりシルエット重視、ハイライトと影の関係、コントラスト、思い切りの良さ……これらすべてがドット絵でも通用します、いやこれを大切にしてほしい。

というわけで、今回はボブおじさんの動画を見ながら、筆者がドット絵の技術としてかみ砕いてご紹介できればと思います。

真似して描いてみよう


今回真似して描くのはコチラの動画です。
動画と記事を見比べながら、参考にしてくださいね!
実際に筆者も描いて紹介しますが、紹介方法は動画の手順と同じ方法で行います。

キャンパスの大きさは適当で良いです。
筆者は160x120pxという適当なサイズで描いてしまいましたが、ボブおじさんのキャンパスとアス比を間違えたので上下が若干切れてしまいました。
全く同じで描く場合は正方形にしておきましょう。

使う機材はマウスかペンタブどっちでも良いです。筆者は全部マウスで描いています。

注意点

まず注意点を先に書いておきます。
絵画とドット絵の違いはアナログとデジタルという道具の違いがあります。
筆やナイフ、絵の具の質感をデジタルでは出し辛く、特にドット絵では筆感は出せません。ボブおじさんの手法をデジタルに置き換えることは難しくなります。
なのでデジタルに、ドット絵に落とし込んだ時には一工程増えるという事を念頭に置いておきましょう。それ以外はやっていることはぼぼ同じです。

また、練習する際はトレースではなく自分の目で色や形を把握して描いてみてください。
そうでなければ色彩感覚やシルエットを捉える感覚が身に付きません。
全く同じ絵にする必要はないので、自分の目で見たものを絵に起こしてみてください。

①下地を塗る


まずは下地を作ります。
ドット絵ではグラデで使う色を何色か決め、層に分けて塗ったのちにドットでグラデーションを作って馴染ませます。
ドット化して馴染ませたところがぼかしの効果になります。これがあるとないとでは雰囲気が変わってしまいます。馴染ませるときはドットグラデにすることを覚えておきましょう。

尚、お使いのソフトによってはRGBカラー設定で境界をぼかしてドット化することもできると思いますので、とりあえずドットになっていれば何でも良いです。

②山を描く


では美しい山々を描いていきましょう。まずは新規レイヤーを作ってください。
青みを混ぜた濃いグレーのような色で山のシルエットをザクザクと描いていきます。ブラシは2,3px程度の太めにして書いてみましょう。
角ばってしまったところは消しゴムツールで削っていきます。
いつも言っておりますが、大事なのはシルエットです。シルエットさえ山になっていればどうとでもなります。
逆に言えばこの時点で山になっていないと、それは山に見えません。

注意点ですが、シルエットの削り出しに数時間も描けているとどんどん整い過ぎた無機質な山になってしまいます。
思い切りの良さが大事になってくる部分です。大体あってりゃOKという気持ちで鼻歌でも歌いなら描いてみてください。


次にハイライトをいれます。山肌にハイライトを入れることで雪の積もった表現をしていますね。
動画同様に光は右側に当たっているので、右にまず最も明るい色を置きます。
使っている色は青みがかったグレーです。

描き方のポイントは、最初に描いた山のシルエットを範囲選択することではみ出さないようにする事。
はみ出さないで塗る場合は対象を選択範囲にしておくのが重要です。そのために最初にレイヤー分けをしたわけですね。
また、筆やナイフの色ムラや質感を出すために、デジタルでは自分で粗を作らなければいけません。
なので一度べた塗りした後に、細いブラシでジャギジャギな感じにしてあげると良いです。こうすることで不揃いになり自然な感じになります。
こういった塗り方になれていない方は、まず山だけでも良いので、不揃いで天然な感じを出せるような塗りを反復練習してみましょう。


次に影部分になる面を塗っていきます。
ボブおじさんも言うように、光あるところには影が生まれます。
この場合、左側には光が当たりませんが反射光が当たりますので、うっすら明るいが影になる……そんな色を塗ります。
上と同様に自然な感じになるように塗った後にアナログ感を出すために色を削ります。
雑に見えるぐらいでいいんです。そのうち馴染みます。


更に暗い色を塗ります。
ボブおじさんの絵では山のふもとにあたる部分をぼかしていましたが、ドット絵ではぼかし表現を最も苦手とします。
よって色によってぼけているように見えるにするしかありません。つまりはグラデーションをかけてしまえばいいのです。
ふもととベースカラーの間に先ほどより暗めの色を置きます。こうすることでぼけて色が混ざったような雰囲気を出すことが出来ます。
この辺りの配分はボブおじさんの絵をベースに着色していきました。

③手前に山を足す


ボブおじさんは山を描いた後、更に手前に山を描き足していました。それを再現します。
工程は同じで、新規レイヤーをつくります。そしてベースカラーでシルエットを削り出し、選択範囲でハイライトと影、グラデーション用の色を入れます。
ハイライトを入れた時に違和感がでなければその表現は正しいですが、逆に違和感を感じてしまう場合は山に沿ってハイライトを置けていない可能性があります。
ハイライトや影も必ず対象の形状や質感に沿って入れるように考えて描きましょう。


影とグラデ色をいれたらこうなりました。たったこれだけで山の完成です。
シルエットをしっかりと削り出し、ハイライトを山肌に沿って入れれるようになればザクザクと描けるようになれます。
ね、簡単でしょ?

④平原を描く


次はふもとにある平原を描いていきます。新規レイヤーを作り、ブラシでザクザク色を塗ります。形はいびつでもOK。
ボブおじさんの絵では手前にくるほど明るい色になっていたので、グラデーションを作って手前が暗くなるように真似しました。


滑らかにするために色を増やしました。まあこれぐらいで良いでしょう。
え、そんな適当でいいの??…と思うかもしれませんが、ここから色々描くのでとりあえずこんなもんでOK。

⑤木を描く


お次は木を描いていきます。新規レイヤーを作ってください。
黒に近い深い緑を作り、木のシルエットを描いていきます。ボブおじさんは針葉樹を描いていたので同じように真似します。
ただし、ブラシで描かないといけませんので2pxぐらいのブラシでギザギザに描いた後、角ばり過ぎた部分を消しゴムで消して形を出します。
大切なのはあまり整えすぎないという事。むしろちょっと雑なぐらいでOK。
絵がしっくり来ないという方は、絵の部分部分に時間をかけすぎて整えすぎてしまい勢いを殺してしまっています。絵は勢いも大事なのです。

ちなみに左上に謎のゴミがついていますが気にしないでください。
筆者が色メモで適当に置いた色が残っているだけです。


木が描けたら次は草むらを描いていきます。
下から上に上がっていくようにブラシを持ち上げます。これはマウスで描いてもペンタブで描いても同じです。
真っすぐな草ばかりでなく曲がった草なども織り交ぜて描いていきましょう。多分ぼさぼさになると思いますがそれでいいです。
揃った雑草なんて雑草じゃありません。描き殴ってください。


木と草が描けたら幹や葉の部分にハイライトを入れます。
ただしあまり濃く入れ過ぎないようにしましょう。薄付きでOK。
ボブおじさんが行っているように、葉で隠れていない幹に細く入れていきます。葉も同様に光源のある方向にいれていきます。
間違っても光源じゃない方にハイライトを入れないでくださいね。

ハイライトが入れ終わったら、左側にも木と草を描いていきましょう。


左側の木を描いたら、一旦平原を描いたレイヤーに戻ります。
そこに新たに地面を描き足します。左側の地面がないからです。
木が生い茂って暗くなっているので、平原で使った暗いグリーンを下に塗ってあげましょう


地面が塗り終わったらレイヤーを木に戻します。間違えて別のところに塗らないでくださいね?
先ほどと同じようにハイライトを足します。
これで木は一旦終わりです。

⑥水面を作る


次は水面です。普通水を描こうとすると水色や青を無意識に置いていまいがちですが、ここはボブおじさんの絵を真似して描くのでリアルな色を選ばなければいけません。
水面は色々な風景の色を反射しますので、場所に合わせて色が変わっていなければ本来おかしいのです。
今回は山の空気感を水面に投影したいので、山肌に使ったグレーをそのまま用います。

まずはレイヤーを作り、レイヤーの並び順を下地よりも一個上まで下げます。こうすることで上のレイヤーでつかわれていなかった透明部分を水面にすることが出来ます。更にはみだしも気にしなくて良くなります。
山肌のグラデ色に使った色をスポイトで取り、水面としてべた塗りします。


次に水面に落ちる影を描写します。
木の色を含んでいた方が反射っぽく見えるので、緑を混ぜた暗めの色を作り塗りましょう。
この反射も草木のザクザクした雰囲気を出すためにあえてゲジゲジにします。
決して滑らかに塗らないでくださいね。反射は必ず反射する対象の雰囲気を掴んで反映させてください。


次に水面にハイライトを落とします。これも山肌の色を使います。
もちろん先ほどとの色の境界はザクザクにしておきましょう。この方が水っぽい流動的な雰囲気が出ます。
ドット絵ではぼかしが使えないので、このようにぼかした時どうなるかという色のデフォルメ化が必要です。特徴的な色味だけを抜き出して使わなければいけません。
多分ここはちょっと難しいかもしれませんが、何度も描いて感覚を掴んでください。
正しいかどうかよりも、それっぽく見えるというのが大事なのです。


ボブおじさんの絵には下地で塗った空の色が水面に映り込んでいて、絶妙な透明感を出しています。
そこでドット絵でもそれを再現します。水面の流れる感じを出しながら反射光を置いていきます。
ここで使う色はベースカラーで塗った色からスポイトで抽出します。
夕暮れの川を眺めていると、ジグザグに反射光が映ると思いますが、それを思い浮かべて描いてみましょう。
水面の反射光の特徴と色をデフォルメ化して反映させるわけですね。常日頃の観察が大事な部分です。思い浮かばない方は資料写真を色々見てみましょう。

⑦明るい草を描く


ボブおじさんが草むらに明るい草花を足し始めましたので、筆者も真似します。
明るめの草色を作り、単色で描いていきます。下から上に描くのをお忘れなく。


草の下部は影になるので、影色を作って塗っていきます。
逆に上部にはハイライトを作って軽く塗っていきます。ここではハイライトを余りつけ過ぎないようにしました。

⑧水面を作り込む


水面に山肌の一番明るい色を使って波を描いていきます。
水面の波は盛り上がった部分に光が当たってハイライトになるので、一番明るい色を使うわけですね。
ボブおじさんのように草と水の境界に波を作るのもお忘れなく。

また草原の山との境界部分の色が弱かったので若干変更している点と、草原にドットグラデを入れて馴染ませています。
仕上がりに合わせてこの辺も描きながら調整していくと良いでしょう。


水面に映り込む太陽光の一部を調整します。
反射光の2番目に明るい色がありますが、そこだけくすんだ色に変えてみましょう。
そうすると水面のグレーと馴染んでいってくれますね。
グラデが沢山使えない時にはこうやって中間色を見つけ出して配置して上げると馴染んでくれるのです。
ちなみに中間色はパレットの中間色という意味ではありません。目で見た中間色です。ここは観察眼が必要かもしれませんが、よく見ればどの色が適切か分かってくるはずですよ。

⑨仕上げを入れて完成


最後にトーンカーブとカラーバランスで若干絵を締めてあげます。
余り弄り過ぎるとせっかく作った色味が崩れてしまうのであくまで補完程度にしてくださいね。
これで完成です。

完成


完成した絵がコチラになります。結構真似できたかなと思います。
使ったカラーパレットを左上に表示しておきました。
ちなみに筆者が掛かった時間は1時間半です。ボブおじさんのように30分では無理でしたが、3倍の時間を描ければドット絵でも表現できることが分かりましたね。

ボブおじさんの描き方をベースに、ドット絵に落とし込むとこのような背景が作れます。
ボブの絵画教室で解説している内容はシルエットと特徴捉えること、そして光あるところには影が生まれるという事、そして思いっきり描くことです。
ドット絵も同じで、ほとんどはシルエットで決まり、物事を観察して特徴を捉えることで色も詳細も決まってきます。
色を塗る際には光と影の関係が大事で、これをメリハリ良く塗ると絵がハッキリとした印象になるのです。
そうするには思いっきり描くことです。多少雑であったり細かいミスは気にしないでまず堂々と描くこと。細部にばかりこだわっていると整えすぎて勢いを殺してしまいます。

ただ、絵画とドット絵で違う事はぼかしがやり辛いという事。ぼかし表現をする際には中間色やトーングラデを使って馴染ませる必要があります。
ここはドット絵の技術で補う部分ですね。

一緒にうまくなろう

ドット絵は絵がうまくなくても描けます。
絵がうまくなくとも特徴を捉えてシルエットさえかければ、画力を必要としません。絵画よりより敷居は低くなります。
ボブおじさんの基礎的な技術をドット絵に持ち込むことで、短時間で勢いのある画が描けるようになります。

ボブおじさんの技法はドット絵の描画理論に最も近いと感じていますので、よく見て研究してみてください。
多分分かってくると当たり前の事しか言っていないと分かってくるはずです。
今回は背景を真似して描きましたが、キャラを描いたりオブジェクトを描く際にも基本は変わりません。
シルエット、特徴、ハイライト、影、勢い……これらをベースに色々なドット絵を描き進めていきましょう。

しかし……真似して描いてみましたがボブおじさんは全く迷いがなく、空気感の再現も含めてやはりすごいですね。
この辺りは筆者もより現実を観察して鍛錬を重ねようと思いました。
皆さんも一緒に真似しながら描いて、より上達していきましょう。

今回は以上となります。
では、次の講座をお楽しみに!

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コメント/情報提供
  1. NEVER より:

    ドット絵講座の記事ですがカテゴリーがゲーム制作になってますよー!

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