『ゴーストリコン ブレイクポイント』夢中で遊べるステルスゲーム【感想・レビュー】

J.Stone J.Stone

Tom Clancy’s Ghost Recon Breakpointをクリアしましたので評価・感想・レビューを書いていきます。結論から言うと「面白いけど色々惜しいゲーム」です。自由潜入・フリーロームの楽しみは増しましたが、一方でストーリーが短く印象が薄いという点もあります。今回はその理由を解説していきます。

ゴーストリコン ブレイクポイントのクリアレビュー

2019年10月4日に発売となった、Ubisoft製のオープンワールドステルスゲーム「Tom Clancy’s Ghost Recon Breakpoint」をクリアしました。
発売から約一か月立ちましたが、そろそろレビューを掲載したいと思います。
※尚、発売してまだ間もないので、ストーリーに関してのネタバレが含まれるものは極力排除していきたいと思います。


まずは総合評価からいきましょう。

総合評価

ストーリー: ★☆☆☆☆
グラフィック: ★★★☆☆
サウンド: ★★★★☆
ゲームバランス: ★★★★☆
ボリューム: ★★★☆☆
総合評価: ★★★☆☆

良かった点

  • ロケーションの作り込みが徹底されており潜入の手ごたえがある
  • 高難易度の即死や理不尽な難易度はなく、敵と撃ち合いが出来る
  • マップ密度が濃く、移動中も常に緊迫感を楽しめる
  • サイドクエストが非常に充実している
  • ギアスコア制の導入で、マンネリ&ヌルゲー化を回避
  • シンクショットの回数制限でヌルゲー化を回避
  • マルチプレイでの遊びやすさ
  • クラス制度によってマルチでの役割分担が作れる
  • 大型ボスがいるなど、Co-opの楽しみが多い
  • 正攻法ではない卑怯な手段がいくらでも使える
  • 武器種が非常に多い
  • RPG要素が強くワイワイ楽しめる

悪かった点

  • シリーズ物だが前作との方向性が違い過ぎて別タイトルに思える
  • UIが最適化されておらず、操作性と快適さが悪い
  • アイテムのジャンク指定ができない
  • トレハン要素によってマルチでのテンポが悪化
  • ストーリーが短く不完全燃焼
  • メインクエストのみで進むとボリューム不足
  • サバイバル要素が中盤以後機能しなくなるなど、落とし込み方が甘い
  • グラフィックが前作よりも荒い
  • コスチュームの種類が少なく、前作よりもカスタムの幅が狭い
  • 実用系の課金アイテムが多すぎる
  • 非常にバグが多い

総合評価:60点

前作と方向性が全く異なる作品となったため、賛否両論の嵐となっている本作。
正に名の通りのブレイクポイント(分断点)となりました。
しかし、私としては非常に楽しめたかなという印象です。
ソロ・マルチどちらもプレイしましたが、遊び幅も多くこれ1本で色々な楽しみ方ができるなぁと思いました。

ブレイクポイントの良さと改善点

確かに面白く、自由で密度はあった。但し、どこか中途半端で詰めが甘い。
では、そんな評価に至った理由を解説していきましょう。

ワイワイ系ステルスゲーム

方向性をガラリと変えてきた本作。
私の印象としては、PSPソフト「メタルギアソリッド:ピースウォーカー」のような、Co-opでワイワイ楽しむ潜入ゲーに仕上がっているのは非常に良かったと思っています。
フレンドと一緒にドンパチしたり、ヘリでドッグファイトしたり、無理やり崖から飛び降りたりと、ふざけたプレイで潜入する楽しみは十分にあります。

前作の高難易度の理不尽さは改善され、撃ち合いをするとこちらが即死するようなことはなくなりました。
なのでステルスでもドンパチでも攻略できる自由さは楽しかったと思います。
また、シンクショットが実質回数制限になったため、ドローンカメラで指示するだけのゲームになっていないことも高評価。
逆に言えばソロが若干難しいかな…という気もしなくもないですが、Co-op前提として設計されている節があるので、誰かと一緒に楽しむきっかけになるのは良い事ではないでしょうか。

ギアスコア制度も導入され、ゴリ押しを防ぎ、武器を乗り換えないといけない状況に追い込んで現地調達感を出しているのも楽しかったです。
この手のハクスラゲーが好きな人には、苦も無く楽しめるし、無心で装備厳選できるでしょう。
今後、装備トレードやUIの改善が来れば、Co-opでより快適に楽しめるのではないかと思っています。

ストーリー重視ではなくなった分、サイドクエストは非常に充実。デイリーイベントも多くあります。
装備を集めるという理由が生まれたことにより、ストーリーを無視して自由に探索・潜入する楽しみは前回よりも広がっている気がします。
いきなりストーリーをやるもよし、ギアスコアを限界値まで引き上げてから、俺TUEEEEEモードでストーリーを攻略するのもよし…と、選択の幅が広がったのは良かったです。
事実、筆者はGS200以上になるまで一切ストーリーをやらず、片っ端からロケーション周りをして楽しんだほどです。
自主性・能動性のあるプレイヤーには、かなりツボだったかと思います。

詰めが甘いぞゴースト

但し、UI/UX周りの使い勝手の悪さと、バグによって著しくテンポが悪くなっているので、この辺りが改善したら更によくなるだろうと思いました。
装備集めゲームなのにジャンク指定が出来ず、1個ずつ装備を分解したり、1個ずつアイテムをクラフトしたりする点が非常に不満でした。
おかげでアイテム整理の時間が長引くことでCo-opで人を待たせなければならず、大きな欠点です。
ゲームデザインに置いて、自由な時間を奪うデザインは排除されねばなりません。
UIデザインを得意とするUBIにしては、恐らく歴代最も最悪のUIであり、相当に詰めが甘いと思いました。

そして、肝心のストーリーは非常に短く未完結であり、消化不良感は凄まじくあります。
前作はストーリー進行型ゲームだった分、物語のボリュームは非常に富んでいましたのでこれはマイナスポイントかと。
原作者は既に他界し不在ですが、ポリティカルなストーリーがトム・クランシーシリーズの代名詞だと思うので、もう少し頑張ってほしいところです。
また個人的にですが、メタルギアリスペクトが強すぎるあまり、CIAの陰謀や”らりるれろ”な展開が見え見えになってしまっているもデメリットかと。
※らりるれろ――MGSシリーズで登場する愛国者たちの隠語。愛国者たちはMGSの世界を牛耳っている裏の組織。

更に言えば、ハクスラ・トレハン要素によって、前作のようないきなり強武器のあるエリアに突撃して、ボスをなぎ倒すようなRTA的プレイがし辛くなったのも残念な点。
極めつけは、散々ウリにしていたサバイバル要素がおまけ程度であり、ほとんど機能していませんでした。
よって「メタルギアソリッド3」のようなイメージを持ってプレイするとガッカリするという点もあげられます。
今後、更に高難易度を追加し、食事と水、睡眠を定期的に取らないと死ぬといった要素を追加し、より現地調達・よりサバイバルな要素を増やした方が楽しめると思いました。
※メタルギアソリッド3――武器・食事を全て現地調達し、自然に溶け込んで潜入するリアルテイストなステルス・サバイバルゲーム

実用系アイテム・装備の課金システムが多すぎて不満もあります。
フルプライスでゲームを購入するタイトルなのにもかかわらず、基本無料MMOゲームのような課金制度は個人的に賛同しかねます。
コスチュームも前作より幅は狭く、カスタマイズ要素も劣化しています。
キャラクリのやり直しがいつでもできないのもマイナスです。
前作ワイルドランズの方がキャラクターカスタマイズに関して圧倒的に優れています。
更に、グラフィックは前作より荒いので、要求スペックのわりにどこかのっぺりしています。(※PC版で全て最大最高な画質設定を使用)

正直この出来では、ワイルドランズ勢やゴーストリコンの古参・ヘヴィユーザーは満足しないでしょう。
欠点を補う楽しさは確かにありましたが、期待されたゴーストリコンシリーズとしてはまだまだ不出来だとおもいます。
発売延期をしてでも詰めるべきだったと思います。

総評:色々惜しい!

以上の結果から、「面白いが詰めが甘いゲーム」という総評になりました。

ブレイクポイントはUBISOFTのここ10年の集大成と言える作品に仕上がっていますが、多くの要素をごった煮で詰め込み過ぎたせいで、かえって器用貧乏なゲームになってしまってる印象もあります。
同社製ソフトである「ディビジョン2」と方向性が被り、自社競合している点も非常に惜しいと思いました。
というわけで、”面白いけど色々惜しいゲーム”という評価になりました。
開発側はもう少し企画を練り、デバッグをしっかりしてから発売してほしかったと思います。

但し、「MGS:PW」が好きだった方には十分楽しめる内容であり、”ピースウォーカー2”と言えなくもないタイトルです。
ストーリーもメタルギアっぽさが非常に強く、UBISOFTがMGSのミームをしっかり受け継げるかが今後の楽しみです。
というわけで…今後はワイルドランズのような遊びやすいタイトルになるよう改善してほしいです。

とは言ったモノの――
自由潜入は非常に楽しいです。色々実験したくなることも多くあります。
フリーロームは無限に遊べる楽しさと密度があります。それは間違いありません。
ハイテク化され密度の高い、アウロア島の大小様々なロケーションの数々。
ゴースト部隊の生き残りノマドとなって、敵拠点を片っ端から壊滅させてみませんか?

以上ボウマン、アウト。

ゴーストリコン ブレイクポイント PS4
詳細情報

参考価格:¥7,781(執筆時調べ)
ジャンル:TPS・ステルス・ハクスラ・ミリタリー・映画的


出展:Ubisoft/Tom Clancy’s Ghost Recon: Breakpoint

併せて読みたい記事はコチラ



    この記事をシェアする

コメント/情報提供

コメントを残す

「評価・レビュー」の関連記事

「ゲーム・攻略情報」の人気記事
ゲーム・攻略情報のカテゴリ一覧