『The Outer Worlds』圧倒的神ゲー~GOTY最有力候補【レビュー】

J.Stone J.Stone

The Outer Worldsをクリアしたので評価・感想・レビューを書いていきます。結論から言うと「GOTY最有力」「神ゲー」です。やりたかったオープンワールドRPGがココにあります。

The Outer Worlds、GOTYに最も近いタイトル

2019年10月25日に発売となった、Obsidian Entertainment製のSF-RPG「The Outer Worlds」をクリアしました。
というわけで発売して間もないですが、早速レビューしていきたいと思います。
※尚、発売して間もないので、ストーリーに関してのネタバレが含まれるものは極力排除していきたいと思います。

結論を言うと…ゲームオブザイヤー確定タイトルです。
つまり神ゲーということです。


まずは総合評価からいきましょう。

総合評価

ストーリー: ★★★★★
グラフィック: ★★★★★
サウンド: ★★★★★
ゲームバランス: ★★★★★
ボリューム: ★★★★★
総合評価: ★★★★★

良かった点

  • 純粋に面白い
  • ベセスダ式RPGユーザーが待ち望んだ期待通りの完成度
  • 圧倒的テキストのボリューム
  • これでもかという重厚な設定
  • キャラデザイン超良い
  • ブラックユーモア満載
  • よりFPSライクな戦闘
  • テンポの良いゲームバランス
  • 軽い上に高画質なグラフィック
  • 圧倒的バグの少なさ

悪かった点

  • 色調が若干強く、目が疲れやすい(MODで回避可)
  • ローカライズの日本語が若干変(誤訳修正MODで対処可)

総合評価:100点

拍手喝采、欣喜雀躍、恐悦至極、万々歳…もはや文句のつけようがないぐらいの完成度でしょう。
オープンワールドRPG好きが遊びたかったそのままを形にしてくれた有難さ、洋ゲーとは思えないキャラ造形の美しさ、ブラックユーモア満載の背景、バグの少なさなど…本当に楽しかったとしか思えません。
色調や誤訳などはMODによって解決するので許容範囲と言えます。
むしろ、そんなものを気にしなくなるほど完成度があるので、大して気になりません。
では、前置きはこの辺にして、その評価した内容について触れていきます。

圧倒的神ゲーの理由

では、その文句なしと拍手喝采し、筆者を感動のあまり明日が見えないほどの涙で溢れさせ、所謂ベセゲーマーを熱狂の渦に巻き込んだ『The Outer Worlds』が何故神ゲーと呼べるのかを掘り下げていきましょう。

純粋に面白い

以前「ボーダーランズ3」のレビューでも書いた内容と重複するのですが、純粋にゲームが面白いという事。
ターゲット層を確実に見定め、そういったプレイヤーの方々が楽しめるモノをふんだんに取り入れて作ったことがわかるような設計思想。
そりゃオープンワールドのRPGが好きな人はハマらないわけがないですよね。

結局のところ、ゲームの「定番」「お約束」を大事にしたモノは安心して楽しめるという事です。

確かに、斬新さが足りない、フォールアウトっぽい…という意見もあります。
しかし裏を返せば、無難に面白いものを突き詰めたRPGと言えるのです。
むしろ、つり橋を渡るかのような、一種の賭けとなる斬新さなど不要なのです。
純粋に面白いゲームがやれれば大満足。
そんな直向きに面白さだけに注力したゲームがココにはあるのです。

舞台

世界観は24世紀の外宇宙。
内容はオープンワールドだが、宇宙なので、船で惑星を行き来するエリア方式のオープンワールドを採用。
この辺はボダラン3にかなり近い。
よって1つのマップはさほど大きくないが、いくつかに分割されたエリアを総計するとかなりの広大さになる。
また、狭い分中身は凝縮されており、狭さは感じない。

ステ振り

初期でキャラクリをして、基礎ステータスを作り上げ、それに応じて能力が決定。LvUPでステ振り。
スキルはLvアップ毎に10固定で、INT極振りでないと成長率が悪くなるというFONVの欠点は改善されている。より遊びやすい。
ステ振りも大まかに振ってから、そのあと特化させる方式になっているので、少ないポイントでも自由に振り分けることができる。

例えば、射撃枠に50まで振り分け、そのあと武器種ごと…例えば拳銃に特化させて振り分けるという感じだ。
なので50までは大枠でステ振りができるようになっている。
しかも、ステ振りは後からやり直しが可能である。
とりあえず気にせず振り分けできるのは素晴らしい。

キャラクリ

キャラクリはかなり綺麗だ。全員ゴリラにならない。
スライダー数はベセスダ製ゲームと比べると少なめの印象だが、インディゲーなので許容範囲内だ。
恐らくキャラクリMODが早々に登場するだろう。楽しみである。

モヒカン野郎も、フュリオサ隊長風なキャラも自由自在。

性格設定

性格設定の為に欠点をつけることができる。(FONVでいうTraitsのようなものだ)
例えば、犬に襲われすぎると、犬恐怖症という欠点が出る。
ここで採用すると、Perkポイントをもらえる代わりに、犬と戦った時にデバフがかかるようになる。
この辺りを使えばロールプレイ性を更に高めてくれるに違いない。
例えばだが、犬嫌いな武闘派戦士という筋書きを描いてプレイすれば、強いのにかっこ悪さも演出できて人間臭さが生まれるだろう。

会話

物語はテキストベースで会話が進行し、プレイヤーのスキルに応じて選択肢が変化するテーブルトーク式なスタイル。
説得スキルで言いくるめるもよし、武力で制圧するもよしだ。
更に言えば、生き方も自由だ。
善人に生きるもよし、悪党になるもよし、偽善者を気取るも、盗賊になって盗みまくるも、トレジャーを売りさばく武器商人になるもよし。
一匹狼プレイ、近接縛りプレイ、忍びの道を極めたスニークプレイ、知能を最低値にしたおバカプレイ、全てを根絶やしにする残虐なサイコパスプレイ…など、スタイルは自由。

バトル

バトルはFPS視点で、バレットタイムを駆使したテンポの良いアクションバトル。
射撃、近接などプレイスタイルに合わせた武器が多彩に登場し、更に武器種も豊富。
ブレード、シャベル、鎌、リボルバー、アサルトライフル、プラズマライフル、グレネードランチャー、マシンガン、敵が小さくなる変な武器……等々、種類は様々。

装備

武器の弾は「軽・重・エナジー」と3つに絞られ、FONVのようなミリタリー要素は減ったものの、とっつきやすくスマートに仕上がっている。
この武器・バトル辺りは「バイオショックシリーズ」に近い印象を受け、フォールアウトシリーズよりもよりFPSライクに仕上がっている。
高難易度は人によっては少々難しく感じるかもしれないが、難易度を下げれば被ダメージは抑えられるので遊びやすい設計になっている。
回避アクションも導入され、緊急回避や近接での回避に役立つ。ガード機能もある。
武器・防具はカスタマイズが可能で、MODの装着、ステータスアップなどが行える。
防具は軽装、中装、重装がある。好みのスタイルで選ぶと良い。

あれ、どっかで見たことある気が……

仲間

コンパニオン(フォロワー)は2人まで連れまわせ、装備や作戦支持は自由に変えられる。
しかもLvUpするとコンパニオンにもPerkが振れるので、より自由なパーティーが組みやすくなっている。
例えば、近接特化で体力と防御に振り、敵のヘイトを引くPerkを付ければ、おとりとして突撃させ、その間に自分が後方から射撃を行う…といったスタイルも可能。
逆に、コンパニオンを射撃特化にさせ、自分が脳筋突撃している間に援護射撃させる…といったスタイルも可能。
全てにおいて自由度が高くなっている。

自販機

自動販売機が各所に置いてあるので、アイテムが満タンになることは少なく、いつでも売却できる。
これによってトレジャーハントしたり、死体から武器をかき集める武器商人プレイがしやすくなっている。非常に快適だ。
しかも自販機はメーカーごとに異なっているので、個性があって面白い。
この辺りは「ボダランシリーズ」や「バイオショックシリーズ」を意識している感が強い。
更に、自販機を導入したことによって、トレーダーを転がしやすくなったので悪党プレイもやりやすくなっている。

勢力

勢力図はかなり複雑。
色々な組織が登場し、選択によっては敵対する。
善い行いをすれば貢献度があがり、悪事を働けば悪評が付く。
どの勢力に付くかで、エンディングが変化するマルチシナリオ方式だ。
全ての人が幸せになる選択肢はなく、究極の選択を迫られることも。
それがロールプレイ…世界を動かすという楽しみだ。

犯罪を重ねれば評価は最悪。完全に敵対する。

クエスト

メインクエスト以外にもサイドクエストも充実。
コンパニオン独自のクエストもあり、親交を深めるきっかけとなる。
それらすべてがプレイヤーの選択肢で変化する。
展開は毎回異なる…それがオープンワールドの楽しみだ。

オープンワールド最高!

これらを純粋に楽しめるという意味で、「The Outer Worlds」は最高としか言いようがない。
「The Elder Scrolls」、「フォールアウト」、「ウィッチャー」、「Horizon Zero Dawn」、「ウェイストランド」……など、この手のゲームが好きな人にはドストライクな内容に仕上がっている。

かつて、映画「マッドマックスシリーズ」のジェームズ・キャメロンが目指したような、マッドマックス好きの為のマッドマックス……「マッドマックス/怒りのデスロード」を作り上げたように、
本作もまた、オープンワールドRPG好きの為のRPG…「The Outer Worlds」と言えよう。
逆に言えば、この手のRPGが好きでない奴など最初から相手になどしていない。
最近は多種多様なプレイヤーを取り入れようと躍起になる企画は多いが、本作はその真逆を行くゲームだ。
「素人は黙っとれ…」と言わんばかりに、尖りに尖がったRPGに仕上がっているのは言うまでもなく、正にRPGファンの為にあるRPGと言えるだろう。

新規勢も決して忘れない!

…とはいったものの、決して玄人向けでもない。
今からオープンワールドRPGの世界に足を運びたい人にも、遊びやすい設計がふんだんに取り入れられている。
最低難易度でプレイしてもデメリットはない。自分が遊びやすい環境でプレイすればいいのだ。
興味が湧いたなら、実際に手に取ってプレイしてみるのが一番だろう。
ラーメンの良さを伝えることはできても、ラーメンの味を正確に伝えることは難しい。
ゲームも同じなのだ。特にオープンワールドRPGは。
そう、世界を味わうのは自分自身なのだから。
RPGが好き、宇宙が好き、わかんないけど興味があるからやってみたい……。是非やってみよう!

今、全てのオープンワールドRPG好きはココに終着する。

キャラ造形が素晴らしい

色々語り過ぎたが、キャラも語っておこう。
洋ゲーにありがちな不細工でゴリラなキャラはいない。
イケメン、渋いオヤジ、イカした姉貴など、色々揃っている。美形キャラもいる。

特にコンパニオンは愛着が湧くように、設定は掘り下げられている。
キャラ造形もこだわりを感じ、それに応じたスキル設定もしてある。

特に筆者のお気に入りコンパニオンは”パールヴァティー”だ。
ピュアでレズビアンなメカニックという設定で、序盤からお世話になる。
武器パーツを集めやすくなるというメリットもある。
彼女の固有クエストは必見。妹みたいに見守りたくなるはずだ。

“エリー”も中々に魅力的だ。
インテリなのに海賊のように荒くれたいというアウトローなキャラだ。
口先とは裏腹に、主人公の良き右腕となり、荒事を手伝ってくれるだろう。

トレイラーで登場した変な顔のキャラも健在だ。
しかもこれは被りモノとして実際に装備できる。買って装着しよう。

ブラックユーモア満載

ストーリーではかなり際どいブラックユーモアが炸裂。
そもそも舞台設定が、ブラック企業が蔓延した未来宇宙というのだから、これまた希望がない。
人命は金より安く、労働者の人権も金より安い。裕福層は贅沢暮らし。
病気は甘え、怪我も甘え、嘘や建前の何処が悪いという権力者たち。
希望がないのにハイテク社会…まさにディストピアである。

街の外では、社会に適応できなかった荒くれが破壊し、復興されることもなく廃墟が広がる。
そうした歪んだ背景を下敷きに、どこか普遍的で現実世界の延長とも思える風刺的内容で会話や物語が展開する。
これぞ世紀末!これぞディストピア!
とことん尖ったイカれた世界観を堪能してほしい。

バグが少ない

洋ゲーはバグが多い?
近年はバグが多すぎて、最後までプレイする前に断念してしまうタイトルが多かった。

しかし、「The Outer Worlds」は違う。
圧倒的にバグが少なく、快適にプレイすることができる。
開発メーカーの品質管理とゲーム愛を感じる仕上がりになっている。

オープンワールドゲームは、その膨大な内容上、どうしてもバグが発生しやすくなってしまうのだが、本作はとにかく少ない。
進行不能バグ、スタック、アイテム消失…など、それらは少なくとも筆者環境では発生していない。
筆者が発見したバグと言えば、「スキル振り直しでコンパニオンの固有Perkが消える」、「長時間プレイでUIの操作が不安定になる」「一部名前がおかしいキャラがいた」ぐらいである。
恐らく、今後パッチが当たって修正されるだろう。許容範囲内だ。

バグというかローカライズ関係だが、若干日本語がおかしい部分もあるが、こちらも許容範囲だ。
むしろインディーズなのに、自社でローカライズ含めてくれてるのは本当にありがたい。
日本語化パッチ待ちにならないだけ非常にうれしい限りだ。
あとは誤訳修正パッチがユーザーによって作られると思う。(MODはPC版に限る)

洋ゲーだから敬遠してる方、安心して遊んでほしい。

総評:面白い!

以上の結果から、大満足という結論になりました。
Obsidian社のゲーム愛を非常に強く感じるゲームでありました。

プレイ時間は30~40時間でしたが、プレイスタイルや進行速度にもよるので一概には言えません。
ボリューム不足という意見もありますが、周回前提のマルチシナリオなので、むしろ何度も遊べて良いのではと思っております。
更に、公式がDLC開発に乗り気とのことなので、もしかしたら拡張コンテンツが追加されるかもしれませんね。
但し、シーズンパスはないので別売りになると思いますが、この出来なら間違いなく買って損はありません。
ニューゲーム+の実装も考えているそうです。非常に楽しみですね。

しかも、今後はMOD対応が進むことでしょう。益々ゲームが拡張されていきます。
既にシェーダーや、難易度調整などのMODは登場しております。
今後はMOD職人によってキャラクリ拡張や、要素追加などがされていくのでしょうね。

開発陣には拍手と敬意を贈りたいと思います。

ありがとう、Obsidian!

Fallout New Vegasから実に9年、フォールアウトの生みの親たちが描くテーブルトークでオープンワールドなコアなRPGが遂に遊べたその喜び。
しかも、最近ではフランチャイズ権を購入したベセスダがフォールアウトをあんなこんなにしてしまい、ファンの顰蹙を買う中で、これだけの完成度を世界に提示――。
開発元のObsidianはAAA級メーカーでもないB級メーカー…謂わばインディーズメーカーであり、それがここまでのクオリティをもってして、ユーザーがやりたいことを最優先に、自らの作家性や世界観を表現しつくしたことに、もはや感謝しかないぐらいであります。

最近ではMicrosoftの傘下に入ることができ、ようやく資金に余裕が出てきた開発会社ではありますが……あえてもう一度いいますが、このゲームはインディゲームなのです。
Interplayの倒産と開発チームの解散から、後に「Fallout: New Vegas」という神ゲーを作り上げ、ファンの称賛を浴びるものの、結局フランチャイズ権は別会社のモノで、大きく取り上げられるのは自分たちではない……。(現公式からはFalloutの外伝扱いだが、ファンからはあれこそが正統続編という声もあるほど。実際に1,2の完全な続編はNVである。)
別会社との共同開発で名を挙げた「Skyforge」、コアで壮大なCRPG「Pillars of Eternity」、面白いゲームを作り上げてもあと一歩全世界からの称賛に届かない…。

そんな日陰でこれまでがんばってきた開発会社が、世界の大舞台…GOTYで拍手喝采を浴びる日が来たのです。そんなゲームに間違いなく仕上がっているのです。
ファンとしてこれほどうれしいことはありません。
Obsidianは今日をもって、世界的ゲームクリエイター企業として名を刻むのです!

というわけで熱が入り過ぎましたが、文句なしの傑作です。
間違いなく歴史に名を遺すであろうタイトルに仕上がっております。

いいかよく聞け、これが「Fallout5」だ!!

では、筆者は2周目を始めます。
次はどんなキャラ設定で遊ぼうか――

※Nintendo Switch版も発売予定!

アウター・ワールド
詳細情報

参考価格:¥7,480(執筆時調べ)
ジャンル:RPG・オープンワールド・FPS・テーブルトーク・宇宙・レトロ


出典:Obsidian Entertainment/Private Division

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コメント/情報提供
  1. やじ より:

    誤訳修正MODについての詳細をご紹介願えませんか?
    こちらの記事で存在を知り探し回ってみましたが、2021年1月現在それらしいものが見つからず困り果てています…

    • J.Stone J.Stone より:

      ~作られると思う…なので、有志によって公開されていない場合は当然ありません。
      最後のDLCが2021年に公開予定なので、それに合わせて公式対応があるかもしれませんね。

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