アーリーアクセスの意味わかって買っていますか?

J.Stone J.Stone

アーリーアクセスの意味、正しく理解して購入していますか。最近、アーリー版タイトルに対してムキになって文句垂れてるお客様が国内外どちらも多いなと感じています。今回は、アーリー版とは何なのかということをもう一度確認したほうがいいんじゃないのというお話です。

アーリーアクセスの意味、分かってますか?

SteamなどのPCプラットフォームではインディゲーム(個人開発作品)が発売され、その中からA級タイトルに匹敵する売り上げを叩き出すタイトルも珍しくありません。
そんなインディタイトルが良く用いる方針として「アーリーアクセス(早期アクセス)」が挙げられます。
今回はそんなアーリー版が現在置かれている状況について思う事があったので、語って行こうかと思います。

アーリーアクセスとは、ゲームがある程度プレイできる状態になった未完成の段階で販売される形式のこと。これはある種のオープンベータに匹敵し、ユーザーからの意見やフィードバックを頂くことで開発者側がブラッシュアップをしていくという目的の為に用いられます。同時に、未完成版を提供することでクラウドファウンディング的な先行投資を受けられるという開発側の資金的な目的もあります。
当然未完成版な為、購入時には注意書きがされていたり、ゲームメニューからフィードバックを直接送れるフォームが用意されていたりと…プレイヤー兼テスターになる事を同意する形でゲームに参加する事になります。その為、アーリー版は正式版よりも格安で提供され、アーリー参加者は正式版を正規価格で買わずともそのままプレイを続行できる形を取っています。

勘違いなお客様増加中…

しかし一方で、最近はアーリーアクセス版のゲームが増えすぎたためか、アーリー版であるにも関わらず批判を通り越しての誹謗中傷(少々不具合が発生しただけで癇癪を起してリプライで喚き散らす、開発者への攻撃的な発言や、購入を躊躇わせるような妨害行為)が多くみられるようになりました。(最もやってる人は一部の御名人様でしょうが…)
まずここで思う所は、アーリー版を製品版と勘違いしているプレイヤーが増えすぎているという事です。
アーリー版はあくまで半分プレイヤー・半分テスターであり、それを同意する形で購入することになっています。
それにもかかわらず、「未完成で発売するな!」などの無茶苦茶な批判をしているケースが多く目立つようになってきており、アーリー版とは何なのかということを今一度考えて購入しなければならないと思います。
アーリー版で批判があるならば、まずは公式サイドにフィードバックを送ることです。
バグや不具合に忍耐力がないならば貴方はテスターには向いていないのです。

また、日本のプレイヤーに見られるのは、フィードバックもせずに受け身でいようとする姿勢です。こういう姿勢でアーリー版に挑むと、大抵文句を垂れ流すだけになりますが、ただ残念ながら能動的なプレイヤーというのは海外勢(北米・欧州勢)に比べて多くありません。
Steamのゲームタイトルの多くは英語圏であり、フィードバックには英語の文章が必要であるため労力がかかりますが、SNSで文句を垂れ流し、紹介サイトのコメントに下げコメを連投するクレーマーになるくらいならば、google翻訳のコピペでもいいので送った方が建設的であると思います。
受け身プレイヤーである自覚があるなら、精神衛生上アーリー版は買わない方が良いと思います。

但し、とはいっても開発者サイドの責任になる事もあります。
まず、バグや不具合を引き起こしている現状を打開するのは開発者の責務であることは言うまでもありません。
しかし、例えば不具合によってPCがダメージを受けてしまうとか、OSに不具合を与えるだとか、未調整故の不具合も稀に発生するのも事実。更に言えば、多くのインディタイトルがアーリーアクセス版を永遠に維持して、保身に走っているケースもあり、まともにベータテストをしたい開発が誹謗中傷にあうケースもあります。俗にいう永遠のアーリーアクセスです。こういうケースは怠慢なインディ開発部の責任であり、現状取られているアーリーアクセスシステムの審査等を見直す必要があるように思います。
とはいえ、完成するかしないかは開発次第だが、同意のうえでアーリー版を購入しているのはユーザー自身である故に、この辺りの見直しや基準は難しいと見ています。よって、やる気のない開発に対しては誹謗中傷以前に見切るという手段が最も穏便な解決方法と言えます。

一方で、インディとメジャータイトルのクオリティ差が狭まったのも、アーリー版がテストバージョンとして扱われなくなりはじめた要因ではないかと考えます。
近年はA級タイトルの正式版がインディタイトルのアーリー版以下のクオリティで販売され、数年かけてようやく十分なクオリティに落ち着く…アップデート商法もアーリー版批判に関わっていると感じています。
なぜここでそれを取り上げるのかというと、この一部の劣悪なA級タイトルのおかげで、インディのアーリー版のほうが勝ってしまうという逆転現象が起こったために、アーリー版ですら未完成とは思えぬクオリティであると誤認させてしまうケースが増えていると思います。数百人規模の目玉タイトルより、マイナーなインディゲームのテスト版の方がクオリティが高ければ、テスト版を普通に製品版と同じ頭で扱うことは自然に起こり得てしまうからです。
クオリティが高い低いにかかわらず、アーリー版は未完成である事を念頭に購入しなければ、期待が怒りに変わってしまうことでしょう。

今一度アーリーアクセス参加の心構えを確認する

  • あくまでもオープンベータテストであり、プレイヤーとテスターを兼ねる事になる
  • 同時にクラウドファウンディング(先行投資)である。購入=投資に見合うという事に合意したことになる
  • お金を出すことで公式テストプレイヤーの1人になれる権利だと思うと楽
  • 事前の注意書きがある以上、バグや不具合に遭遇するのは同意済みである
  • 未完成故に批判を通り越しての誹謗中傷はご法度である
  • 発展途上故に不買行動などを行うのもご法度である。
  • フィードバックを積極的に送る能動性が必要
  • アーリー版はセール品ではない、ただの投資でありテスト参加権である。
  • 過度に期待しない。期待が怒りに変わる前に

私はどちらかというと半分開発者サイドに立っている側なので、フィードバックの有難味は非常に分かりますし、デバッグの大変さは非常に分かります。ただ、ゲームファン・プレイヤーでもあるのでどちらの言い分も分かるのです。ですが、最近は少し度が過ぎているのではとSNSやSteamレビュー、公式へのリプライなどを観ながら感じていました。
アーリーアクセス版を購入する多くのプレイヤーが、先行投資をしてもいいと期待したタイトルを購入していると思いますが、一部のクレーマーのせいで可能性のあるタイトルが売れなくなるのは実に悲しい事です。
Steamプレイヤーが昔より増えた今だからこそ、もう一度アーリーアクセスとは何なのかという事を念頭に置いて購入してほしいと思います。

今回は特に役立つ内容ではありませんでしたが、勘違いプレイヤーが目立つようになってきたので一プレイヤーとして思う事を書きました。
もし、この記事を読んで何か感じるところがありましたら、期待するデベロッパーに少しでもお金を落として、地獄のデバッグ作業が終わるように情報提供してあげてください。

P.S.
Steamレビューはクレーマーも多いので、購入時はプチ参考程度に留めた方がいいですよ!

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